皮膚外科(小手術)

ホクロ、加齢に伴うイボ（脂漏性角化症）、粉瘤（アテローム）、皮膚線維腫、石灰化上皮腫、血管腫などに対しての小手術は平日13時からの予約制にさせていただいております。
安全に手術を行うため、術前に血液検査を行い、貧血の有無、血液が止まりにくくないか、肝機能・腎機能に問題はないか、感染症をお持ちでないかなどを確認いたします。
数ヶ月以内に健康診断や他院で血液検査を行われた場合は、当院での血液検査を省略もしくは項目を減らすことができますので、検査結果をお持ちください。

小手術を受けられた方への注意点

対象となる主な疾患

ホクロ

ホクロの大部分は生まれた直後はなく、3歳頃から生じ次第に大きくなります。色調は褐色から黒色で、年齢を重ねるにしたがい徐々に退色していきます。稀にホクロみたいに見えても皮膚がんのことがありますので、ダーモスコピーと呼ばれる拡大鏡を用いた検査を行います。美容目的で切除を希望される場合は自費診療になりますが、悪性が疑われる時や、洗顔する時に引っかかったり、よく出血するなど日常生活に何らかの支障をきたす場合は保険適応となります。治療は局所麻酔を行った後に切除し縫合する方法と、炭酸ガスレーザーやQスイッチルビーレーザーで治療する方法があります。診察をさせていただいたうえで、キズ痕が残りにくい適切な治療法を提案させていただきます。

加齢に伴うイボ（脂漏性角化症）

顔面や手背など日光が当たりやすい部位に生じた褐色斑が徐々に盛り上がりイボとして自覚される場合が多いです。ダーモスコピーを用いて悪性の有無をチェックし、問題なければ局所麻酔を行った後に切除し縫合します。整容的な面で治療を希望される場合は自費診療にはなりますが炭酸ガスレーザーによる治療を選択することも可能です。

粉瘤(アテローム)

外傷もしくはウィルス感染により、皮膚表面と連続する体内に皮膚でできたふくろができます。皮膚表面と同様に、ふくろ内の皮膚からもアカ、皮脂などが出るため徐々に大きくなります。貯留したものが何らかのきっかけで排出された時には悪臭を伴います。また化膿すると炎症性粉瘤と呼ばれ痛み、熱感を引き起こします。治療はふくろごと取り除く手術を行います。化膿している場合は、たまった膿を取り除き、落ち着いてから手術を検討します。

軟性線維腫

首、脇などに軟らかい小さなイボが多発します。女性によくみられ、衣類ですれるとかゆみを引き起こしたり、出血したりします。一種の加齢による変化と考えられていますので、年々数が増えていく方が多いです。治療は液体窒素を用いる方法と根元から切除するのが一般的です。色白の方の場合は、液体窒素で治療すると色素沈着が残ることがありますので、自費診療にはなりますが炭酸ガスレーザーによる治療を選択することも可能です。

巻き爪

爪の両端が内側に向かって曲がり過ぎた状態をさします。足の親指に生じることが多く、痛みを伴うこともあります。巻き爪の原因は外傷、窮屈な靴、ハイヒール、圧迫が強すぎるストッキングや靴下、歩行距離の減少、外反母趾、爪水虫、乾癬など多岐にわたります。原因が多岐にわたるため日頃からの予防も大切です。日常生活における注意点としましては、窮屈な靴の使用を控えることや適切なストッキング・靴下を選択することも大切です。治療法としましては、爪周囲のカサカサを除去するため外用薬を使用したり、曲がり過ぎた爪による圧迫を解除するために弾性テープ、綿球、チューブなどを用いて治療します。その他に超弾性合金ワイヤを用いた矯正治療（自費診療）を行うこともあります。

皮膚線維腫

四肢を中心に、虫刺されなどの外的な刺激や小さな外傷などが契機となり、皮膚の浅い所に褐色調の硬いシコリができます。出来始めの時期は少しずつ大きくなりますが、1センチくらいになるとそのままの大きさで残る場合が多いです。治療は局所麻酔を行った後に切除し縫合します。

石灰化上皮腫

幼小児から20歳頃にかけて顔面、首、腕のやや深い所に2センチくらいまでの骨の様に硬いシコリができます。自然になくなる場合もありますが、押すと痛みを感じたり、化膿したりすることもあります。これらの症状を繰り返す場合は局所麻酔を行った後に切除し縫合します。

血管腫

何らかの原因で細い血管が増えて塊となり、盛り上がってくる場合が多いです。小型のものであれば局所麻酔を行った後に切除し縫合します。それ以外の治療法として自費診療にはなりますが、炭酸ガスレーザーを用いて治療する方法もあります。盛り上がりがない病変に対しては色素レーザー治療の適応となり、大型で盛り上がる血管腫に対しては入院治療が必要になる場合もありますので症状に合わせて総合病院の形成外科に紹介させていただきます。