子宮頚がんは、ヒトパピローマウイルス(以下HPV)が持続感染し、数年から十数年後に病変して子宮の入り口(子宮頸部)にできるがんです。自覚症状がないまま発症・進行することが多く、発見が遅れると妊娠、出産に影響を及ぼすだけでなく、命にかかわることがあります。我が国では年間約1万人が子宮頸がんと診断されています。発症年齢は20歳代後半から増加し、30歳代後半から40歳代で最も多くなります。HPVに感染すること自体は決して特別なことではなく多くの女性が感染することはありますが、ほとんどの方はご自身の免疫により排除され子宮頸がんに至ることはまれです。しかし、どのような方がHPVに感染した後に子宮頸がんを発症しやすいのかは分かっていないため、感染した全ての方が子宮頸がんを発症する可能性があります。以上のことをふまえ、我が国においては積極的な子宮頚がんのワクチン接種が推奨されています。現在、小学6年生〜高校1年生までの女子を対象に定期接種となっています。さらに、平成9年度生まれ~平成18年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)の女性で過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない方を対象にキャッチアップ接種として公費でのワクチン接種が可能となっています。
当院で採用しているワクチンは、子宮頸がんをおこしやすい種類であるHPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐ最も効果が期待できるシルガード9です。これにより子宮頸がんの原因の80~90%を防ぐことができます。
推奨スケジュールは 初回接種(1回目)→ 2ヶ月後(2回目)→ 初回から6ヶ月後(3回目)の 3回接種 になります。
接種に関してご不明点がある方、ご希望の方はお気軽にご相談下さい。
なお上記以外の方で自費による接種をご希望の場合は31240円(税込)となります。